モチベーション改善カウンセラーの亀井です。
近年、企業に限らずメンタルヘルス対策やメンタルケアと言った言葉をよく耳にするようになってきています。
「社員や部下のメンタル・・・何となく大事な気はするけど、よく分からない」という方も意外と多いのではないでしょうか？
今回は、企業でのメンタルヘルス対策にターゲットを絞り、メリットや考え方をご紹介したいと思います。
1．メンタルヘルスとは
メンタルヘルスとは、単的に言うと精神面における健康のことを指します。こう聞くと、社員がうつ病などのメンタル不調に陥らないように気を付ければいいんでしょ？と思ってしまう経営者の方も多いのですが、これは大きな間違いです。
世界保健機関（WHO）による精神的健康の定義は、
「精神障害でないだけでなく、自身の可能性を実現し、共同体が実りあるように貢献して、十全にあること」
となっています。
つまり、社員や部下の心の健康のみならず、やりがいや働き甲斐、将来のビジョンなどを含めた所までが、企業におけるメンタルヘルスとなるのです。
2．企業がメンタルヘルス対策をするメリット
企業でメンタルヘルス対策を行う場合、少なからず金銭的、時間的、人的などのコストがかかります。こうしたコストをかけてまで、企業がメンタルヘルス対策を行うメリットは何なのでしょうか？
メリット1）メンタル不調による退職者の抑制
メンタル不調に陥ってしまった社員は、退職のリスクが劇的に高まります。退職者が出れば当然、新しい人員の募集をかけて採用し、教育を行う必要があり、多大な金銭的、時間的、人的コストがかかってしまいます。また、それまで退職者に投資をしてきた、時間やお金もムダになってしまう場合もあります。
最悪のケースでは、メンタル不調に陥った社員から訴訟を起こされ、多額の賠償が必要になる場合もあります。社員や元社員から訴えられてしまった時のための保険金の上限金額が、1億円から2億円に引き上げられたという話しは、まだ記憶に新しいかと思います。
いずれにせよ、メンタルヘルス対策をしっかりとすることで、退職者の抑制をすることは重要になってきます。
メリット2）職場の健康リスクマネジメント
社員がメンタル不調に陥ると、遅刻や早退、欠勤が増えてきます（詳しくは、こちらをお読み下さい）。遅刻や早退、欠勤が増えれば、当然業務に支障が出てしまいます。
またメンタル不調に陥ると、笑わなくなる、反応が薄くなる、話しをしなくなる等、これまでと比べて周囲の人に対しての接し方にも変化が起こり、職場の空気や雰囲気が悪くなってしまうことに繋がるケースが多く見られます。
日頃からメンタルヘルス対策を行うことで、状態が悪化する前に気づいて、フォローすることが重要になってきます。
メリット3）生産性の向上
企業においてメンタルヘルス対策を行うことを通じて、会社全体の心の健康レベルを引き上げ、生産性の向上にも繋がります。
社員が働き甲斐を感じることなく、言われた仕事のみをこなしている状況を想像してみると、分かりやすいかと思います。
メンタルヘルス対策を通じ、社員一人ひとりが働き甲斐や、やりがいを感じて仕事に取り組むことで、職場の活性化や生産性の更なる向上に繋がり、結果として組織力を強化することが出来ます。
3．企業におけるメンタルヘルス対策3つのケア
「企業でのメンタルヘルス対策の重要性は分かったけれど、何をしたら良いのか分からない」という方も多いかと思いますので、企業におけるメンタルヘルス対策の代表的なものを3つご紹介したいと思います。
メンタルヘルス対策1）セルフケア
セルフケアとは、社員が自分自身で行うケアになります。
研修などを通じ、メンタルヘルスの基本的な知識やスキルを身に付けることで、自分自身でケアを行うことがある程度は可能になります。
また、全社員がメンタルヘルスの基本的な知識やスキルを身に付けることで、同僚やチームメンバーをお互いにケアすることも可能となります。
メンタルヘルス対策2）ラインケア
ラインケアとは、上司が部下に対して行うケアになります。
上司は部下に対して、日頃から目を配ったり、相談に乗ったりしやすい立場にいます。
その為、部下のちょっとした変化にも敏感に気づくことができ、深刻化する前に早期のケアを行うことが可能となります。
メンタルヘルス対策3）専門家によるケア
メンタルケアには、専門的な知識やスキルが必要となります。
そのため、専門家のアドバイスやサポートを取り入れた方が安全です。従業員数50人以上の会社に、産業医の選任が義務付けられているのも、このためです。
セルフケアやラインケアを試してみたが、上手く機能しない場合等は、一度専門家に相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、企業でのメンタルヘルス対策の重要性について記事を書いてみました。
メンタルヘルス対策を行う事で、社内の人的リスクを回避するだけでなく、会社の組織力強化にも繋がります。
また、メンタルヘルス対策には専門家の手を借りる方法以外にも、セルフケアやラインケアといった方法もあります。
まずは、自社でメンタルヘルス対策に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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