職場のメンタルヘルス対策におけるセルフケアの『3ステップ』

モチベーション改善カウンセラーの亀井です。

メンタルヘルス対策やセルフケア、ラインケアといった言葉を目にする頻度が増えてきたように感じます。一方で、「セルフケアって、どうやったら良いのか?」「ラインケアのポイントを教えて欲しい」といったお問い合わせが増えてきています。

今回は、メンタルヘルス対策におけるセルフケアについてご紹介します。

 

1.メンタルヘルスとは

メンタルヘルスとは、精神面における健康、心の健康のことを言います。

メンタルヘルスと聞くと、心の病気をイメージする人も多いかも知れませんが、それは大きな間違いです。世界保健機関(WHO)がメンタルヘルスについて、

精神障害でないだけでなく、自身の可能性を実現し、共同体が実りあるように貢献して、十全にあること

と定義しているように、心身ともに充実した健康状態を目指すという意味で使われることが多い状況です。

 

近年、特に働く人のメンタルヘルスの重要性について注目が集まっています。裏を返せば、それだけ仕事や職場での人間関係、労働環境などに悩みを抱えている人が増えているということです。「精神障害の労災補償状況」(厚生労働省)によると、請求件数は平成25年には年間1409件だったものが、平成30年には年間1820件まで増えており、年々右肩上がりの傾向になります。

雇っている側にも雇われている側にも、メンタルヘルスという言葉が段々と浸透している状況です。

 

2.メンタルヘルス対策におけるセルフケアとは

メンタルヘルス対策におけるセルフケアとは、従業員が自分自身で行うメンタルヘルス対策のことを言います。

メンタルヘルス対策におけるセルフケアでは、メンタルヘルスやストレスに対する基礎知識を持ち、日常生活での工夫を心掛けることが大切になります。

メンタル不調は、特殊な場合を除いてはある日突然重篤化するものではありません。最初は、単純な身体の疲れややる気が起きない等として表面化する場合が多いため、本人の自覚がないままに進行してしまいがちです。自覚なき進行を防ぐためにも、従業員一人ひとりがメンタルヘルスに対しての正しい知識を持ち、日々の生活の中で工夫を心掛けることが重要となるのです。

 

3.メンタルヘルス対策におけるセルフケアの3ステップ

最後に、私がおススメをしているセルフケアの具体的な方法について、簡単にご紹介します。

 

ステップ1)自分をよく観察する

最初のステップは、自分自身の感情としっかりと向き合うことです。

偏見かも知れませんが、日本では「仕事は辛いもの」「仕事は我慢するもの」といった風潮がまだまだ残っています。そのため、特に仕事において自分のネガティブな感情を見て見ぬフリをする人が多く見られます。結果としてストレスが溜まり、メンタル不調に陥ってしまいます。

今の自分は、嬉しいのか?悲しいのか?怒りを感じているのか?等、自分の感情を都度都度ハッキリと意識することが、最初のステップとなります。

 

ステップ2)思考を洗い出す

次のステップでは、

「ネガティブな感情が湧いた時に、自分は何を考えていたのか?」

を言葉にします。

例えば、あなたが上司から怒られて悲しい状態だったとします。ここで要注意なのが、

上司から怒られた→悲しい

ではなく、

上司から怒られた→【自動的な思考】→悲しい

が正解だということです。

この【自動的な思考】には、自分はダメな人間だ、自分は必要のない人間だ、同期のAさんより評価が下がってしまう、クビになるかも知れない等々、怒られたという出来事に対して、あなた自身が無意識に自動的に考えている思考が入ります。つまり、あなたに限らず人は、出来事そのものに対して感情が動くのではなく、出来事に対して無意識に考えたことに対して感情が動くということです。

ですのでステップ2では、感情がネガティブになった出来事を思い出してみて、「ネガティブな感情が湧いた時に、自分は何を考えていたのか?」という視点で、出てくる思考を15個~20個書き出してみて下さい。多い分には構いませんが、最低15個は書く出すよう頑張ってみて下さい。

 

ステップ3)自分が執着している理想・妄想を言語化する

最後のステップでは、あなたが執着している理想や妄想を言語化します。

(※ここで言う理想とは、「自分は●●でなければならない」といった思い込みのことを指します。反対に妄想とは、「自分は●●な人間だ(良くない意味で)」といった思い込みのことを指します。)

書き出した思考を見てみると、自分が持っている理想や妄想が浮かび上がってきます。

例えば、ちょっとした仕事のミスで凹んでしまう人は、「自分は完璧な人間でなければならない」といった理想を持っているかも知れません。こういった感じに、「自分は●●でなければならない」あるいは、「自分は●●な人間だ(良くない意味で)」といった風に、あなたが持っている理想や妄想を言語化してみて下さい。

このステップでは、理想や妄想を自分がしっくりとくる言葉で表現できるまで繰り返すことが大切になります。執着している理想・妄想が言語化出来ると、その瞬間にラクになります。「な~んだ、自分はこんなくだらないことを拘っていたんだ!」と笑ってしまうようなイメージです。

 

以上が、私がおススメしているメンタルヘルス対策におけるセルフケアの3ステップとなります。慣れるまでは自分で行うことが難しい場合もありますので、そんな時は専門家の力を借りるのも良いと思います。

 

まとめ

今回は、メンタルヘルス対策におけるセルフケアの『3ステップ』を記事にしました。

メンタルヘルス対策は仕事に限らずプライベートでも非常に大切なことになります。今回ご紹介した3ステップは、仕事に限らずプライベートでも活用出来る方法になります。ご紹介したセルフケアの3ステップを活用することで、一人でも多くの方がメンタル不調に陥る前に自分でケアが出来るようになれば幸いです。

 

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