モチベーション改善カウンセラーの亀井です。
本記事では、
●部下の自己肯定感が低くて困っている。
●自己肯定感の低さが部下のストレスの原因になるって聞くけど、本当?
●部下の自己肯定感の高め方を知りたい。
こんな悩みや疑問にお答えします。
私自身、企業の従業員ケアを含め、1,200人以上のストレスケアを行ってきました。その中で整理したポイントなどを、できるだけ分かりやすくお伝えできればと思います。
本記事では、自己肯定感を高めると部下のストレスが軽減される理由や自己肯定感が低い部下の特徴、自己肯定感を高める方法について紹介します。
1.自己肯定感を高めると部下のストレス軽減になる理由
結論から言うと、自己肯定感が低い部下はストレスを抱えやすい傾向にあります。
詳しく見ていきます。
そもそも自己肯定感とは
自己肯定感(じここうていかん)とは、自らの在り方を積極的に評価できる感情、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉であり、自尊心(英語: self-esteem)、自己存在感、自己効力感(英語: self-efficacy)、自尊感情などと類似概念であり同じ様な意味で用いられる言葉である。
(出典:フリー百科事典「ウィキペディア」)
つまり、「どんな状況にあろうと、自分には価値がある」と感じられるということ。
決して、「Aさんと比べて●●で秀でてるから優秀」とか「会社で優秀な成績を収めているから、自己肯定感が高い」というものではありません。環境や境遇に左右されることなく、「自分には価値がある」と感じられることが、自己肯定感ということになります。
自己肯定感が低い部下は疲れやすい
自己肯定感が低い部下は疲れやすく、結果ストレスを抱えやすい傾向があります。
なぜならば、「どんな状況にあろうと、自分には価値がある」と感じられないということは、自分自身を認められないということだから。マズローによれば、人は「承認欲求」や「自己実現の欲求」が満たされると生きがいややりがいを感じます。ということは、自分を認められていない自己肯定感が低い部下は、生きがいややりがいを感じにくいということになります。
ですので、自己肯定感が低い部下は疲れやすく、ストレスを抱えやすい傾向があるのです。
自己肯定感の低さは、”思い込み”が原因
自己肯定感の低さの原因のほとんどは、部下本人の”思い込み”です。
なぜならば、そもそも自己肯定感は数字などで見えるものではないので、部下本人の感覚によるものだから。要は、起こった出来事に対して、本人がどんな意味づけを行うかで自己肯定感は上がりもするし下がりもするということです。
例えば、仕事でミスをして上司から怒られたとします。
【出来事】仕事でミスをして上司から怒られた
↓
【意味づけ】「自分は使えない人間だ」と思う
↓
【感覚】 自己肯定感が下がる
【出来事】仕事でミスをして上司から怒られた
↓
【意味づけ】「上司は自分のためを思って怒ってくれたんだ」と思う
↓
【感覚】 自己肯定感が上がる
上記のように、同じ出来事に対しても”どんな意味づけ”をするかによって、自己肯定感は上がったり下がったりするのです。
ですので、自己肯定感の低さの原因のほとんどは、部下本人の”思い込み”によるものなのです。
2.自己肯定感が低い部下5つの特徴
自己肯定感が低い部下は、次のような特徴があります。
●特徴1:周りの目を気にする
●特徴2:他人と自分を比較する
●特徴3:他人を攻撃する
●特徴4:成功を受け入れない
●特徴5:チームの空気を悪くする
詳しく見ていきます。
特徴1:周りの目を気にする
自己肯定感の低い部下は、極端に周りの目を気にする特徴があります。
なぜならば、自分に自信がないため、自分がどう思われているのか?が気になるから。上記の通り、人は承認をしてほしい生き物ですからね。
例えば、
●「こんなこと言ったら、相手にどう思われるだろう?」と考えてしまい、会議で発言できない
●「失敗したら周りからどう思われるだろう?」と気になり、チャレンジできない
等々。
ですので、自己肯定感が低い部下は、極端に周りの目を気にする特徴があるのです。
特徴2:他人と自分を比較する
自己肯定感が低い部下は、他人と自分を比較する特徴があります。
自己肯定感が低い部下は、いわゆる”自分の軸”がハッキリしていない場合が多い。そのため、他人と自分を比較することで、満足感を得ようとします。
例えば、
●自分の営業成績は、Aさんよりも上だ
●自分の年収は、Bさんよりも上だ
等々。
しかし、何事においても上には上がいるもので、世界一とかにならない限り上がいる状況が続きます。つまり、永久に満足することができない。
これが自己肯定感を下げる負のループであったりもします。
特徴3:他人を攻撃する
自己肯定感が低い部下は、他人を攻撃する特徴があります。
なぜなら、自己肯定感が低い部下は自分に自信がないけれど、それを認めたくない。だから、自分より”下”の人間を作るために、他人を攻撃します。
もちろん、物理的に攻撃するわけではなく、
●陰口を言って、貶める
●相手のミスを責め立てる
等の方法が多いかと。
ですので、事あるたびに他人を攻撃する部下は、自己肯定感が低いことが理由の場合があります。
特徴4:成功を受け入れない
自己肯定感が低い部下は、成功を受け入れない特徴があります。これは、自分の成功も他人の成功もです。
よく、「自己肯定感を上げるには、小さな成功を積み重ねることが大事」と言ったりしますが、これは半分は間違いだと思います。
なぜなら、自己肯定感が本当に低い状態の人は、「成功を成功と思えない」から。
●仕事が上手くいく → たまたま
●仕事が上手くいかない → 自分が使えないからだ
と思ってしまうのが、自己肯定感が低い人の特徴でもあります。
特徴5:チームの空気を悪くする
言い方は良くないかも知れませんが、自己肯定感が低い部下は、チームや職場の空気を悪くしてしまう特徴があります。
自己肯定感が低い部下は、基本的にはネガティブです。思考も発言も行動も、すべてにおいてネガティブな傾向が強く出ます。ネガティブな発言が多い人がいると、場の空気が微妙になったりしますよね?
例えば、
●メンバー全員が「やるぞ!」となっている時に、できない理由を並び立てる
●他のメンバーの成功をみんなで喜んでいる時に、「たまたまだろ」などと言ってしまう
等々、場の空気を壊してしまう場合が多々あります。
3.部下の自己肯定感を高めて、ストレスを軽減する方法
結論から言うと、本人が持っている”思い込み”をほぐしてあげることが重要です。
上記の通り、自己肯定感が低い部下は、”思い込み”が原因です。「どんな思い込みが原因で、自己肯定感が下がっているのか?」を部下と一緒にハッキリさせてあげましょう。
具体的な方法は、以下の通りになります。
●ステップ1|自己肯定感が低くなるきっかけとなった出来事を特定する
●ステップ2|その出来事に対しての意味づけを特定する
●ステップ3|意味づけに対しての反論を考える
順番に見ていきます。
ステップ1|自己肯定感が低くなるきっかけとなった出来事を特定する
まず、「なぜ自己肯定感が低いと思うのか?」を考え、そこに付随する出来事を特定します。
仮に間違っていても構わないので、漠然とではなくハッキリと出来事思い出すようにしましょう。
人によっては、小学生とかそれ以前くらいまで遡って思い出す必要があるので、焦らずじっくりと部下に思い出してもらいましょう。
ステップ2|その出来事に対しての意味づけを特定する
次に、ステップ1で特定した出来事に対し、その当時の部下本人が「どんな意味づけをしたのか?」を特定します。
出来事の特定が上手くできている場合、「自分はダメだと思った」や「自分は使えない人間だと思った」など、ほとんどの場合はネガティブな意味づけをしています。
上記の通り、ここでの意味づけが自己肯定感を下げている根本原因になるので、しっかりと部下本人に考えてもらうようにしましょう。
ステップ3|意味づけに対しての反論を考える
最後は、ステップ2で特定した意味づけに対しての反論を考えます。
当時はネガティブな意味づけしかできなかった出来事でも、後から考えると別の視点からも見られたりするものです。
例えば、
✓出来事が起こった当時
【出来事】仕事でミスをして上司から怒られた
【意味づけ】自分は使えない人間だと思った
だったものが、今振り返ってみると、
✓今振り返ると
【出来事】仕事でミスをして上司から怒られた
【意味づけ】(その後の上司の言動を加味して)自分のことを真剣に考えて言ってくれたんだ
と、別の意味づけの可能性に気づくことができます。言い換えるなら、”意味づけの視野を広げる”といったところでしょうか。
意味づけの視野を広げる時は、上司であるあなたが「こんな考え方もできるんじゃないの?」と新しい視点を与えてあげるのも、効果的な方法になります。
さらに詳しく知りたい方は、「部下のストレス解消のためのコミュニケーション3つのステップ【注意点も】」も合わせてご覧下さい。
また、部下の自己肯定感を高めるコミュニケーションの場のセッティングについては、「1on1ミーティングで大事なこと【効果と注意点も】」を参考にして下さい。
まとめ:自己肯定感を高めると部下のストレスは軽減される
本記事では、自己肯定感を高めると部下のストレスが軽減される理由や自己肯定感が低い部下の特徴、自己肯定感を高める方法について紹介しました。
ポイントをまとめると、
●自己肯定感の低さが、部下のストレスの原因になっている。
●自己肯定感の低さの原因は、部下本人の”思い込み”。
●部下の”意味づけ”の視野を広げることで、自己肯定感を高められる。
となります。
自己肯定感が低い部下をお持ちの方は、ぜひ部下の”意味づけ”の視野を広げて、自己肯定感を高めてあげてはいかがでしょうか?
※部下のストレスに関してまとめていますので、ぜひご覧下さい。
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